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わざとの嫉妬、それからの・・・
第2章 前段階 第一弾
(いつだ、早くっ)と焦れる。

そんな心の内を淑江には悟られないように相槌を丁寧に打ち続けて、味もままならない食事をしているとついに胸の上で短くそして小さく携帯が震えて止まった。

待ち人来る。

小躍りしたくなる程の嬉しい気持ちを抑え、(聞かれたかな?)とお喋りになっている淑江の表情を覗き込む。

・・・。

どうやら分かっていないらしい。

木戸は安堵し、そして声を小さくして「ごめん、ちょっとトイレ」と言って立ち上がり、彼女を残して別の女との短い逢瀬へと向かった。

トイレへと歩いていると、まだホールの中にいる間は淑江や飯島亜紀子の彼氏から見られているかもしれないと意識して普段どおりを心がけて歩いた。

そして心の中では(誰も来るなよ)と念じては、細かく目を配っては無意味な威嚇を放って邪魔が入らないように配慮した。
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