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わざとの嫉妬、それからの・・・
第10章 欲情する尾行
それからも宴はあたかも岡本への個人接待のように続き、気を良くする岡本はクックと早いピッチで飲み続けた。

そして、そんな岡本の土井を見る目は完全にラブ・モードに突入しているのが傍から見ても明らかで、もう飯島亜紀子の方を見る回数も減っていた。

それをいいことに、前の二人もイチャついていることから木戸と飯島亜紀子のガードも緩くなってこちらの二人も距離を短くしてあれやこれやと話しをした。

そうやってしばらくしてテーブルの上の料理もグラスの酒もほぼほぼ無くなってきた頃に、誰やら向こうから見たことのある男性の影がこちらに近づいてきた。

背がヒョロリと高くて多少ロン毛の若い男は、紺色のスリムスーツを着ているがノーネクタイで白シャツのボタンを二つ外したラフな着こなしも似合っている。
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