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わざとの嫉妬、それからの・・・
第10章 欲情する尾行
すると、感覚も研ぎ済ませれてきたせいなのか、急に今まで意識していいなかった街のニオイや歩いている人達の声や息吹を大いに感じて気分が高揚した。

それは繋いでいる手にひらにでさえ表れて、今更ながらに飯島亜紀子の手の細さ、柔らかさ、そして温もりを感じて安心感に似た心地よさを感じながらも女体への憧れを抱き、今この女の体を強く抱きしめたいとも思った。

そうして後をつけて歩いていると、前の二人が左に曲がり、この幹線道より細い所に入っていった。

「あっ、向こうに行っちゃう」と声を上げる女の手を引いて、「走ろう」と信号が青点滅を始めた横断歩道を駆け抜けた。
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