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わざとの嫉妬、それからの・・・
第2章 前段階 第一弾
が、どうしてもまた向こうのテーブルを見てしまう。そこではさっきよりももっと前のめりとなって距離を近くして話している飯島亜紀子の姿があって、また嫌な気持ちに心がキュッと苦しくなった。

しかも男との会話に夢中になっているのか、自分には視線もくれない。

向こうのテーブルにもデザートが乗っているが、それにはまだ手もつけられずにかわりにグラスで取ったのかロゼのワインが飲まれていた。

それで木戸は向こうより先に店を出てしまおうと決めた。

そしてデザートを食べ終える。

「美味しかった」と満足した顔で微笑む淑江に「そうだね」と頷き、「行こうか」と促せば今度は相手が「うん」と頷いた。
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