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第4章 前段階　最終節　飯島亜紀子と合流する

水と炭酸の違いがあるにせよ、好きな女と隣り合って飲む酒の味はぜんぜん違う。

シュワシュワした炭酸の爽やかさとは別の甘美な味わいが喉から食道、そして胃へと伝わっていくのがなんとも心地よく感じられた。

「美味しいわね」

「うん」

返事をした後で男はナッツを一つ口の中に放り込む。

奥歯で砕いた一粒から漂い出たあいまいな甘さが口腔内の半分を感じさせてきたのが、今の二人に似合っているなと感じた。

それぞれ別の相手と肌を合わせてきた二人がこうして普通に並んで飲んでいると、客観的に周りからはとてもそんな事をしてきた後のようには見えないだろうなとも思った。