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君を孕ませたい
第10章 君に触れたくて堪らない
沙織との関係をきちんと清算させるまでは、何となく実咲に触れてはいけない、そんな気がして最低限のスキンシップのみに留めた。



純真な実咲を汚してしまう、
そんな馬鹿な考えから実咲を抱きしめることも
手を握ることさえも躊躇われた。



仕事が忙しいのも事実で、いずれは跡を継ぐ立場とはいえ若輩者の自分にはまだまだ学ぶべきこと、しなければならないことは山積で、そんな中無理を言って休暇を取った手前、しばらくは仕事最優先でなければならない。



実咲が寂しい思いをしていることには気付いてはいたが、もう少しだけ待ってほしい、そんな自分本位な考えで素っ気無い日々を過ごしてしまった。



そんな中、夜中に沙織から着信が入った。

「最後に明日会って欲しい」そんな内容だった。



ちょうどその日は出先から直帰出来る日で、2時間程度ならと了承した。



夕方には沙織と落ち合い、軽く食事でもして別れる予定でいた。
だから実咲にも早く帰れそうだとメモを残した。
それなのに行きたい場所があると、最後だからと押し通され、面倒な事態になるよりは実咲を待たせてしまっても了承する方が早いと承諾したのが甘かった。




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