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君を孕ませたい
第11章 新しい生活
唾液を絡ませ合う音だけが響くなか、
どれ程の間口付けをしていたのだろう。



たらりと溢れた唾液を舐め取るように口の周りに舌を這わせ唇が離れると、私は愉悦を含んだ僅かな息苦しさからようやく解放された。



「実咲・・」

呼吸を整えようと大きく息をする私を
頭を撫でながら優しい眼差しで見つめてくれる。



そんな翼さんの視線にときめいて、
嬉しくて、
でもどうして良いのか分からなくて
反射的に視線を逸らす。



「やっと実咲と愛し合えるね。もうこの数週間が長かったよ」

翼さんの仕事が忙しくなったり、
私が生理になってしまったり、
学校が始まってからは私は早く寝てしまうしで、
なかなかタイミングが合わずにいた。



(私もずっと物足りなかった・・)

だから何度か翼さんを想って自慰行為をしたのだけれど、
翼さんが与えてくれる快楽と比べてしまって
どうしても深い絶頂感を味わうことが出来ずにいた。



「私も・・こうして抱きしめたかったです・・」

翼さんにぎゅうっとしがみ付くように腕を回し、引き締まった胸板にそっと唇を寄せて、短い口付けをした。



恥ずかしい・・
だけど翼さんはいつも思いを口にしてくれるから
私も少しでもそれに応えたい。



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