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君を孕ませたい
第1章 被っていた仮面
(あとは・・・)


再度スマートフォンを手に取り電話を掛ける。



トゥルルル・・ トゥルルル・・・


「ああ、武田さん、平山です。お疲れのところすみません。ちょっと確認したい事がありまして・・」

電話の相手の武田という男は、自分の補佐のような秘書のような事をしてくれている。



大学卒業後、数年間は外部の2つの会社で働き多少の社会経験を積んだ。
3年程前に祖父が代表を務める現在の会社に入社し、いくつかの部署を経て、まだまだ見習のような身分ではあるが今はその経営に携わる仕事を任されるようになった。



「先ほど確認し忘れてしまったんですが、僕の直近のスケジュールで融通が利かないものってどの程度ありますか?ちょっと近いうちに休みを取りたくて・・」





「ええ・・、ええ・・、それでは失礼します」


スケジュールの調整をしてもらい、来週末から早めの夏季休暇を取れる事に満足し電話を切る。



(まずは・・優しく、か?)

あの年齢の少女ならば甘く、優しくすれば胸をときめかせるだろう。そうしたら少し強引に迫れば・・・



実咲の肢体を妄想しながら、綿密に計画を練る。



(まずは買い物に連れ出して・・その後は・・・)








「実咲ちゃん、ちょっと良いかな?」

彼女の部屋のドアをノックする。



すぐにガチャっと扉が開き、ひょこっと顔を出す。



「ごめんね、今何かしていた?」



「いいえっ、大丈夫です」



「良かった。少し家の中を案内しようと思って。と言ってもそこまで広い家じゃないんだけど」

まるで彼女に安心感を植え付けるかのように優しく微笑む。



「あ、お願いします」

ぺこっと頭を下げ部屋から出てきた。



「じゃあ、まずは2階から案内するね」

さり気なく彼女の肩に手を寄せながら続ける。



「さっきも言ったけど実咲ちゃんの部屋の斜め前は俺の部屋。で、その隣と、その前の部屋は客間。ほとんど使った事ないけどね。トイレと洗面所は各部屋についているから2階にはないんだ」



「そうなんですか・・」

きょろきょろしながら辺りを見回す。



「じゃあ次は1階を案内するよ」



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