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幸せになれる恋
第6章 聖の家
そして聖は駅の隣の建物にスっと入る。
桜は立ち止まってその建物を見上げた。
「でっかいっっ。」
聖に聞こえるか聞こえないかくらいの
小さな声でつぶやく。
「桜ー、来て。」
「聖さん。ここに何かありますか?」
「うん。俺ん家がある」
「このでっかい建物に?」
「って言っても中は普通の2LDKの
普通の部屋だから。」
「な、な、な…。一人で住んでるんですよね?」
「そうだって言わなかったか?」
「一人で2LDKですか...。?」
「そうだけど…」
「聖さんお仕事は…?」
「普通にサラリーマン」
「あり、えない。んです。
普通のサラリーマンがこんなところに
住むなんて。」
「ははは。そんなびっくりするなよ。
大丈夫ちゃんと自分で払ってるから。」
「だからびっくりしてるんです!
その年でこんな高層マンションに…」
もう愕然としている。
ありえないくらい高い建物は
マンションだった。
普通のサラリーマンがこんなとこに
住める訳ないんだ。
どんな仕事なのか気になる。