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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第3章 共働きの財閥
やっぱりテヒョンの言う通りだった。
昨日も一昨日もテテからの電話はない。
……私とテヒョンが二人で生活してからもう三か月が経っているけど、子供たちは日本が楽しいみたいで電話をかけてきても一週間に一度か二度。
それもアボジに言われるからしている。と言う様な『面倒臭さ』が醸し出された事務的な電話だ。
──喜ぶべきなのか悲しむべきなのか、複雑な思いが胸の中をのたうち回っている。
「おい」
「何?」
寂しいっちゃ寂しいんだけど、コイツと二人だけの生活も悪くない。そう思い始めるんだから人間ってのは、とことん不思議な生き物。
「後10分で知り合いが来るから」
「はい?」
「だから後10分で知り合いが来るって言ってるんだよ。服はそのままでいいからブラジャーだけ付けて来い」
「帝国関係なの?」
「いや、違う。でもさすがに乳首透けてる大事なお前を人前に出せねえよ。俺も人並みに独占欲有るワケだし」
「っ……もう!」
わざわざ口に出さなくていいのに!
悪戯な悪魔の顔をした笑みに対して、子供のように舌を出してからスプーンを置いた。
「ソヨンさん、俺達二人と五人分の紅茶だけ用意しといてくれねえか?」
「かしこまりました。」