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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第3章 共働きの財閥


「誰が来るの?」

真っ白のロングTシャツに下はアディダスのレギンスを履いている私。

誰がどう見てもアラサーの服装には思えないだろうけど、家の中でネグリジェを着るほど財閥染まりもしていないし、そこまでの女子力もない。

「秘密」

「はあ、いつもそれなんだから。」

リビングの真っ黒のソファーに二人で腰かけている私達の耳にタイミング良く響いたのはインターホンが鳴る音だった。

「来たな」

「帝国の関係者じゃないんだよね?」

「ああ、それは確実」

「そろそろお前も暇だろ?」

「暇って──仕事しなくて良いとか家に居ろとか言うのはテヒョンじゃん」


「そうだけど」

「私だってね、テテとアイが居る頃はお迎えとか有ったしアボジも居たから二人で何だかんだ出来てたけどさ……今は夕食作りを手伝うにしても私達二人分だからお手伝いさんたちが手際よく済ましてしまうし」

「時期的に一緒に出席する会食も無いしさ」

「ティーも、あんた達サファイアのカムバックで撮影が増えたから引っ張りだこな訳だし」


「だからだよ」

「何が?」


「だから──お前に、もう一回『バリキャリ』になる機会を与えてやろうと思って」

響くノック音。

テヒョンの『どうぞ』という声を聞いて、少し間が空いてから開かれたドアの向こうには見た事もない若い男の子達五人が整列をしていた。

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