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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台
「ヒョンドン財閥の様に、金儲けのためだけに子供服ラインを作り売っている様なモノと、そういう信念を持ち、ちゃんと行動している帝国のアミューズから出る子供服ライン。値段が同じでデザインも似てるなら親はどちらを買うと思う?」
「そこにMAフェスでのCMだ。」
「私が消費者なら、帝国の服を買うね。同じメイドインコリアで値段もデザインも似てるなら尚更だ。」
「消費者の自分にも、そういう風に何らかの恩恵があるかもしれない。と思う人もいるだろう。」
「純粋に帝国が好きだから!と買ってくれる人もいるだろう。」
「──そういうことなんだよ。それを全部考えると、帝国は絶対にまた一つ一つと会社の利益を上げてくるに違いない。」
「好感度の高い会社は、利益も上がるもんだ。」
「いいかい、リサ。これが生き金、なんだよ。」
──確かにそうだな、と思った。
もっと言えば、日本で反韓だった人達もそんな話を聞くと帝国ってすごいな、と純粋に思うだろう。
じゃあそこから帝国のホテルに泊まろうとか、帝国系列の会社の物を買おう。となるかもしれない。……いや、間違いなく、そうなる。
ただの孫馬鹿だと思っていたアボジは確かに出会った当初より皺も白髪も増えている。
でも……
「さすがだな、アボジ。」
──そう、さすがの一言だ。
「テヒョン、お前も年を取れば何が生き金で何が死に金か分かる様になるさ。ほら、見てみろ。」
「私が今来ている部屋着はカシミヤなんてもんじゃない。化学繊維のスウェットで、上下1980円だ。」
「そういうことだよ。ははっ。」
言いくるめたことに喜んでいるのかな?
高笑いをしたアボジは、梅酒の入ったグラスを置いてテテとアイが居るリビングへと向かっていった。
取り残された私達に残るのは『あの人は凄い』という気持ちだけだった。