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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台

「おい!4カメ、そこはイルトさんのアップからだろ!そうだったよね?」

「そうっすね、"壊れそうな~"でスタンドマイク映る位まで引いてもらって、そこからサビに入るんで、その時に爆竹鳴らすって感じです。」

「じゃあその時はバックカメラで全体を映る様にしよう。」

忙しそうに動き回っている何十人と居るスタッフさん達。彼らが必死になって考えてくれているのは、お揃いのセットアップを着てリハーサルをしているFBKの五人だ。

まだノーセット、ノーメイクだけど彼らの前に出てきた全アイドルよりもオーラが有る。

「リサマネージャー、"壊れる位に抱いて"って所なんですけど"抱いて"の部分だけイルトに囁く様にしてもらうのはどうですか?」


「いいですね、それ。」

大きいステージを前で見ている私に話しかけてきたのは、このMAフェスの総監督を今シーズンから任されたドンさん。

今年46歳の若手だけど、彼の実力はすでに私の耳に入っているくらい素晴らしいものだった。

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