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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台
別のスタッフさんから渡されたスタバの新作を受け取り、バックステージに入った時……お尻のポケットにいれていたスマホが鳴った。
070なんていう、最近では滅多に見ない登録していない番号の為、少しだけ身構えてしまう。
周りを見てから、コソッとドアの影に隠れるようにして電話に出た。
「──ヨボセヨ?」
「こんにちは。」
イントネーションからして、彼は日本人ではない。
ヨボセヨ、と返答してこない辺りも、この日本語のアクセントも──ああ、と思い付いた時には、まるで怖い話をされた子供の様に背筋が震えた。
「お久しぶりです、リサさん。」
「……どうして私の番号を?」
思わず英語に切り替わったけども、それはそれで正解。
韓国語だと周りの人に、嫌でも聞こえてしまう。そうなれば、話の内容的にややこしくなってしまうだろう。
「僕達は"ハンソン兄弟"ですよ?」
「電話番号の入手なんて、とても簡単です。──ところで、お元気でしたか?」
「っ、ええ。ど、どうしたの?急に電話なんて」
「……どうせ世間話をしようなんていう魂胆じゃないんでしょ。」
それは分かっている。
世間話ならどれだけ良いだろう、とも思えるが世間話なハズがないんだ。
「リサさんには報告をしておこうと思って。」
「……どんな報告なの。」