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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台

さっきまでの緊張はどこにいったんだろう?と自分で自分が笑えるくらいに『予想外』な出来事だ。


「でも承認欲求は満たしたいし、捨てる気もない。それを含めてもう一度神宮会と話をしたいんだ。」

「神宮会と?」


「ああ、仕事をやめると言ったって食い口が無くなったら意味がないです。──まあ、ここまで言えば私たち兄弟が彼らに何を言いたいのかリサさんならわかってくれると思うが……。」


「……。」


「そこに帝国財閥トップとリサさんが居て、FBKのメンバーも居るのなら……そうだなあ。」

「まだ"金にしていない子供たち"をそのまま返しても良いかな、と思っているんですよ。」


「……なっ、それって!」

やっぱり『鬼畜野郎』は『鬼畜野郎』なのか?

投げ掛けられた交換条件の内容は、今の私には重たすぎる。ハンソン兄弟の冷酷さが、その一言によく表れていた。

「辞めるつもりではいるが、どうなるかは神宮会次第だ。」

「そうでしょう?僕は弟を迷わせるつもりもなければ、仕立ての悪いスーツで我慢して余生を過ごすつもりもない。」

「ただ、今後、僕たちの承認欲求を満たすにおいて『子供の臓器売買』というのは邪魔になる。と」

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