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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台
「だから、それは辞めてもいいんです。」
「ただしその条件として神宮会との話し合いの場に君と君の旦那さん、そして大事にしてるあの五人にも居てほしい、と。それだけの話です。」
「──、どうしてなの?辞めたいなら辞めれば「言ったでしょう、合理的に動けなければ『良い物を食べてる溝ネズミ』にすらなれないんですよ。」
つまりはこうだ。
まだ殺していない、臓器を取り出していない子供たちを返してやってもいい。そしてそれを機に人身売買を辞めてもいい。
その条件として神宮会と話をさせろ、お前も居ろ、テヒョンも居ろ、と。
──即座に、これは一種の賭けだ、そう思った。
本当に彼たちが人身売買を辞める根拠も無ければ、子供たちがたった一人でも無事に生きてる証拠もない。
そんな中で現帝国財閥のトップがあの兄弟と会うのは何ともリスキーなんだろう。と思う。
ましてやFBKも同伴なんて、パパラッチにバレたら彼らの芸能人生命は危うくなる。
相手がハンソン兄弟だと何処かからバレたら……ああ、もう考えるだけで反吐が出そうだ。
ふぅっと小さく息を吐いた私の反応が面白かったのか電話越しの『鬼畜野郎』は鼻で小さく笑った。
そして追い討ちをかける様に
『18時にコンフォートホテル25階の2506号室で。もちろん、来るか来ないか警察を呼ぶか呼ばないかはあなた達次第ですよ。』
と"紳士そうな口ぶり"で畳み掛けると、こちらの返事を聞くこともなく電話を切る。
こんな大賭けなんて、あの大王製紙のとある紳士さんだったら喜んだかもしれないが、一民間人の私には荷が重すぎる。
「………。」