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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第13章 夢の大舞台
「私は……信じてみたい、と思ってる。」
「………ッ。」
ジュンが苦味を噛んだ様な顔をする。ああ、この子は前の時もそうだったな。
VERMINでコカイン入れられた私を見るなり、怒鳴り付けていた。だからこそ言えるのは、この顔は自分のリスクを心配してではなく、私のことを心配してこその結果だろう。
そんな彼の肩をアリーが優しく叩いたのを見て、イルトが──一度、目を瞑ってから私を見る。まっすぐと……。
「──分かった。」
「俺はお前に甘いから。お前が信じてみたいって言うなら、なにも言わない。」
ふう、相変わらずだな。なんて言いたいのかな?
苦笑いをして、ため息をついて……思い立ったかの様にスマホを触り出す。
「俺からアボジに伝えて、ジェジュンから新家の方に話回して貰うから。」
「だから、ヌナは」
「ヌナは、自分で『一番伝えなきゃならない人』に説明してこい。……俺ら、出るから」