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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第15章 可哀想な君への母性
会話はスピーカーで聞かせてもらったし、こいつもそういう所で嘘を付くハズはない。
現にテレビで何も速報が流れないということは、ちゃんと解除されたという意味だ。
「どんな手段でもいいや。と……そう思ったんです。」
「それで、この手段を選んだワケ」
「はい。普通に貴方と話して誘ってご飯に行く、なんて事をするべきだったとは思います。でも私の立場と貴方の立場を照らし合わせても、そんなことは絶対出来ない。」
「……。」
どこかで大事な旦那さん……と被る。
「貴方を深く知るほどに、貴方が分からなくなりました」
「だからこそ、知りたいと思った。例え貴方に嫌われても私は──ただ、貴方を知りたかった。」
彼がした行動も一歩間違えれば、恐喝の分野に入るだろう。
──いや、手口が巧妙だっただけで内容的にはコイツと同じレベルだ。
どうして、私を好きになる人はそういうタイプの人が多いのかな。寂しがりや・我が強い、この二つが揃っている。
やっぱり強い人は強い人を好きになるのかもしれない。