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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力

薄いピンクのツイードジャケットは風で少しだけ揺れていた。首元から香るのは旦那さんと一緒に使っている『シャネル・五番』

彼に選んでもらったコーディネートは、春らしくピンクのジャケットと真っ白のVネックに白いスキニージーンズと云うんだから、彼のセンスはやっぱり衰えていない。

それを余計、私に分からせるのはゴールドのヴェルサーチのブローチと首元に光る大きな真珠のシャネルのネックレスだろう。

やっぱりセンスの良さってのは、小物とか色使いとかちょっとした所に現れる。


会社に出勤するテヒョンと共に、センチュリーに乗ってきたけど帰りは時間が合わないから運転手さんを個別で寄越してくれるらしい。

早速、全てを読んでたテヒョンが隠れて用意していたBNの社員証明書を首からぶら下げて、大きなBNのビルに足を踏み入れた。

私が沢山の社員さんに見られるのは──テヒョンの嫁だからっていう理由と、もしかしたら悪名高きFBKの新しいマネージャーだと既に噂が回っているからかもしれない。


今日の夜は──サファイアのメンバー全員と、マネージャーさんとティーと会長のパンさんとで食事が決まっている。

みんな、この事実が面白くて仕方ないんだろう。


私も久しぶりに自分の好きな分野で実力を試せる事実を既に心のどこかで楽しんでいる。

アンニョという顔見知りのスタッフさんに挨拶を返してから彼達が居るらしい三階の練習室へ向かった。


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