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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ

「だからこそ、多少の悪いことをしてお金を貯めてから一からやり直すとか……もっと違う道に進むことも可能だった筈なの。アンタら二人ほどの知恵と顔と団結力が有るなら尚更、ね。」
「だけど、人の命……ましてや子供の命を売る、という仕事をしていくと決めたのはアンタ達なんでしょ。」
「オンマを潰してしまったコカインで、もっと色々な人を潰すビジネスをしていたのもアンタ達なんでしょ」
「それは──イヴァン、あんたとユンサ二人の兄弟が決めた道だったのよのね?考えて、選んだ末に歩むことを決めた道だったのよね?」
「やり直すことは出来たのよ、何度でも。どの瞬間からでも。」
「……ああ、やり直したよ。」
想像もしていなかった返事に少しだけ目を大きくして聞き返した。
「え?」
「あの日、バーミンで神宮会と揉めた日に──兄貴を医者に預けてから俺は一人でマスク被って偽造パスポートを使い、中国に戻った。」
「………ッ!」

