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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ

さすが闇の病院だ。
銃声が響いても、これだけの強面の男達が部屋に沢山押し掛けてきても誰も様子など見に来ないのだから。
やっぱり、神宮会のグループというのはそれだけの力が有る。
「どういう事だよ、無傷で病院って」
「──」
「話せよ。」
「……アンタが、ユンサを見舞いに来るのが分かってた。でもあのまま前の病院に居ると、インターポールはユンサと貴方が対面する前に貴方を撃ってしまう。つまり、逮捕してしまう。」
「そこに関して、私たち帝国と彼達警察側の意見が合わなかった。」
「だから唯一、接近を許されていた私が彼達神宮会の力を借りて、この病院にユンサを移動させたの。」
「俺が──、兄貴と会いやすい様にってか」
「そう。唯一の身寄りと……会わせてあげたかった。」
「……。」
「でもちゃんと償って欲しかったのよ。まさか、こうなるとは思っても無かった、アンタが兄貴を殺すなんて──」
「だけど、死んで終わりじゃないの。確かに日本人は死人を堀り返して殴る蹴るの文化ではない。……でも、それに胡座をかいて、償うと言って自害を決めるのは違うでしょう。」
「だからこそアンタには──」

