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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第17章 彼なりのケジメ

「病室には入ってこないでっ……捕まえるのは彼がユンサと対面を果たして病院を出てからにしてって……そう言ったでしょ!」
「彼には指一本触れないって約束をしたから神宮会を呼んでも良いと許可したの!!」
「彼が無傷のまま警察に行けるように、と。それなのに──何で足とは云え銃ぶっ放しちゃうの!約束と違うじゃない!」
イヴァンの事を抱き締めながら、そう叫んだ私はお門違いだったのかもしれない。
バツの悪そうな顔で頭を掻きながらテヒョンが口を開いた。
「やっ、わりぃ。銃声響いて、居ても経っても居られなくなった。」
「……。」
そこで理解する。
ああ、テヒョンとイルト達は私が撃たれたと勘違いしたんだな、と。
「お前が……お前が、こいつらを此処に呼んだのか?」
問いかけるイヴァンは、やはり悪名高きハンソン兄弟。
もしかしたらこれまでにも撃たれた事や刺された事が有るんだろう。私の想像以上に清々しい表情をしていて、まるで太股を狙われた人間だとは思えない。
「そうよ。」
自分の巻いていたシャネルのスカーフで彼の腿を縛り、血を止める。

