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シャネルを着た悪魔 Ⅱ
第4章 想像以上の実力


「……ヒョンも凄い女を俺達に土産としてくれたモンだな」

「まっ、帝国の底上げの過程を誰よりも隣で見てきた女だもんな。そりゃ一般離れした売り方で売ろうとして当たり前だし、根性キマってて当たり前だわ。」


「──はあ、俺のアイドル王子様のキャラも終わりかな」

「お前のキャラなんて俺の中では六歳の時から崩れきってるわ」

「そういうアリーもハリーポッターの主人公から、いつの間にかマルフォイみたいな役柄になってたじゃねえかよ」


続々と口を開くメンバー達。この流れを黙って見ていた他の人達も、予想外の状況と言葉に本気で驚いてそうだった。


「普通の女なら帝国夫人もヒョンの嫁も勤まらねえよ。まして、子供をあんな風に『普通に育てる』って決めるのも無理だ。」

「だってあの帝国の跡取りなんだからな」

「でもそれを鶴の一声の如く、やってのけてるリサヌナには──もしかしたら俺達、賭けれるかもしれねえわ」


「はあ?」



「だから──何度も言わせんな。俺たちの人生も"先の長い夢"も……アンタになら賭けれるかもしれない」


彼達が子供なのか、それとも私の挑発能力が優れているのか──すんなりと受け入れられた事に拍子抜けしそうになった。

そして目の前の椅子から、ゆっくりと立ち上がったFBKのリーダーは気味の悪いほど綺麗な形をした唇の口角を少しだけ上げながら私に近付いてくる。


「……なに」

「いやっ、こんな女初めてだから興味湧くなって」

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