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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第9章 未練
 乾は眼の前に山積みになった上奏書の一つを手に取ったが、心はまるで上の空であった。嘉礼(カレ)を済ませてから二ヶ月が経過している。あの頃はまだ夏の盛りであったのが、今はもう九月の終わりだ。まだ日中は依然として暑いが、朝夕、都に吹く風は秋を思わせるひんやりとしたものを含むようになった。
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