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Leverage Effect─基礎知識─
第3章 澁谷の商い ─内訳話─
澁谷の商いは以下となります。
寄付き前(前場が開く前)に、¥4,890の指値(さしね)で、『日越工業』10万株の売り注文を出す。
アメリカの金融引き締め政策(金利の上昇を意味する)の予定より早い決行の発表に、株式市場から主に外国機関投資家が資金を引き揚げる。
それに引きずられるかたちで、国内投資家も急速に下げ基調になる。
指値をしたため、急激に下がってきた市場で売り切れず、大引け(取引終了時間)成行に変更したものの、時既に遅く「時間優先の原則」から大量の売り残しを出す結果となる。
結局、売りに出した『日越工業』10万株のうち、約定したのは”4,890円で5万2千株”(5万2千の内出来)、残り4万8千は売り残りとなる。
”ここで飛ばせなくても”とは、当面の市場で売りきれなくてもの意味であり、資金繰りに困らないのは、この4万8千の売り資金が何らかの反対決済に利用されるものではない、くらいのこと。
だが、高値で売れないと不機嫌になるのは誰しも同じ事であり、澁谷の客もご機嫌斜めとなっている。
仕手筋を顧客に持つ澁谷の苦慮を、お察し頂けたでしょうか。優秀なアナリストと雖も胃炎にもなるわけです。
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以上で『Leverage Effect』証券部分の簡単な説明を終わらせて頂きます。
これで、お話が10倍面白くなった?
……なわけないか。
このページ作成に当たっては、「東京証券取引所」の公式サイトと、「NR野村総合研究所(野村総研)」の”証券用語解説集”を参考・引用させて頂きました。
大変ありがとうございました。
ということで、更に詳しい解説については、そちらのサイトでお調べ下さいませ。
(結局、他力本願な作者^^;)
では、本編をお楽しみください。