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さらに近くてもっと甘い
第5章 社長様、発熱中
はぁっ…と息を吐いて再び目を瞑ってしまった光瑠さんに、要さんが近付く。
「それにしても……」
そして、依然として私の手を強く握ったままの光瑠さんに、要さんは顔を近付けた。
「社長が弱っているのは何だか面白いなぁ」
「は……あ……」
気の抜けた返事をしながら、確かに…と思った。
苦しそうだからかわいそうだけれど、弱々しい光瑠さんなんか見ることないから…
だからその珍しい状況を見入ってしまうのも分からなくない。
「社長も風邪……引くんですね…」
「みたいです……」
目を丸くしている要さんは光瑠さんから顔を離す。
すると、ぼんやり目を開けた光瑠さんが、再び首を回して私のことを見つめた。