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さらに近くてもっと甘い
第7章 奥様の誕生日
「しっかり……育ってるみたいです」
母の顔を見せる真希。
頼もしい表情の彼女を見ながら、呆然とすることしか出来ない光瑠の手のひらには、何度もその胎動が響く。
「……っ………」
生きている。
まだ小さいというのに、真希の中で懸命に動いて…
生きようとしている…
そのことに言いようもない感動が込み上げて、息が詰まる。
「大丈夫ですかー?お父さん」
ぼんやりとしている光瑠の顔を覗き込んだ真希は、少しからかうようにそういうと、光瑠はほのかに顔を紅くした。
お父さん……
自分が親になることが、現実味を帯びていく。
感じたことのない責任と愛しさ。
光瑠は言葉を発せないまま、優しく真希を引き寄せて抱き締めた。