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さらに近くてもっと甘い
第7章 奥様の誕生日
───────…
真面目に質問しているというのに、先程から真希がクスクス笑ってばかりいる。
しっかりと質問に答えてほしいものだ、と光瑠は思うが、あまりに楽しそうなその様子を見て、まぁいい…か……と微笑む。
「楽しいけどこれじゃあ全然進みませんね……」
優しく微笑んだ真希。
計画は全く思い描いていたものではないが、同じく幸せな気持ちになっていると、真希が光瑠に調理器具を差し出した。
「はい、これきっと光瑠さん、適役です!」
「……なんだ、これは」
針金のようなものが輪を描いていくつも連なる。
それは紛れもなく泡立て器なのであるが、もちろんそんなことをこの光瑠が知るはずもない。
「それで、これを混ぜてください」
「これを、か?」
先程渡された卵白の入ったボール。
光瑠に与えられた使命は、メレンゲを作ることだ。