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さらに近くてもっと甘い
第7章 奥様の誕生日
────────…
誕生日当日。
口に広がる甘さと心の温かさ。
幸せなんて言葉じゃ言い表せない…
「うまいか」
得意げな光瑠さん。
満足そうなそんな表情も私を幸せにする。
ケーキを噛み締めながら、コクコクと頷くと光瑠さんはさらに得意げな顔をした。
「あれだな、俺があの……ナントカってやつで、ナントカカントカってやつを作ったお蔭だな」
“泡立て器”で“メレンゲ”を作ったって言いたいんだろうけど、何も言えてないのが面白い。
「そうですね……」
フォークで目の前のケーキを一口すくうと、微笑みながら光瑠さんに差し出した。
「光瑠さんも食べて」
「いや……これはお前のだろ」
「一緒に作ったんですから、一緒に食べましょ?」
光瑠さんと一緒なら、何でも楽しい。
本当にこんなに素敵な誕生日、生まれて初めてだ。