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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
白髪で上品にヒゲを伸ばした彼が、
困った表情を見せながら、
扉の前に立つ。
絶対に勝つんだからっ…───
心でそう意気込んだ私はさらに強く目の前に立ちはだかる使用人頭の彼を見つめた。
「なりません……」
「だからどうしてっ……」
「ですから、坊っちゃんにそのように──」
「古畑さんは光瑠さんがどんなに大袈裟で馬鹿げたことを言っても、言いつけに従うんですかっ!?」
私の言葉に、古畑さんはさらに困った表情を見せた。
「真希様……そんなに大きな声を出されては、お腹のお子様に障ります…」
「もぉっ…! 光瑠さんも、古畑さんも、心配しすぎです! ちょっと梨子と愛花ちゃんとお出掛けするだけって言ってるじゃないですかっ…!」