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第1章 過保護な旦那様

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平日の街中。


ただ、一般的には春休みと呼ばれる期間だからか、学生らしき者も多く、いつもとは違う賑わいを見せる。



そんな中、黒い車が止まり、中から立て続けに麗人が二人降りる──




街全体が息を飲むのが分かる。





「社長、副社長、こちらです！」





自分たちに注目が集まっていることに自覚のない二人の麗人を、酒田が誘う。




「立地は悪くない」


「そうなんですよね。客層もいいですし」




要はそう言いながら、酒田の心配を他所に、周りをじっくりと見渡す。




そして目線が合う女性たちに、



お得意の甘い笑顔を振り撒く──





「データで見た時は、女性が多い街という訳ではなかったが…」



「お二人のせいで集まってきているんですっ！
これ以上人が集まると面倒なので早く中に入って下さい！」




ヒステリックな酒田に、要は肩を竦める。