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さらに近くてもっと甘い
第8章 ドジっ子同盟とお引っ越し
───────…
「ふぅ…」
最後の段ボールを置いた浩平は、ジャージ姿で額の汗を拭う。
「本当にありがとうね!」
同じように、高校の時のジャージに身を包む愛花も、額の汗を拭いながら浩平に微笑む。
今日は愛花の引っ越しの日。
元々持っている荷物も少ないから、浩平が車を出して運ぶのを手伝っていた。
全然!と返事をしながら、涼むためにクーラーの前に佇む。
でも、中々涼しくならない。
止まらない汗をひたすらに拭いながら、浩平は部屋を見渡した。
物が少なすぎ…だよなぁ。
段ボールは4つほどしかない。
有川邸にいたから、自分の家具というものもない。慌てて買ったベッドだけがぽつりと置いてあって、浩平はフッと笑った。
「愛花〜。今度家具、買いに行こうな」
「あ……そうだね…」
コップにお茶を入れた愛花は、それを浩平に差し出しながら、返事をした。