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さらに近くてもっと甘い
第8章 ドジっ子同盟とお引っ越し
「分かる〜〜〜!!!」
「っ………」
「ケチャップとかまじで危険だよね!!」
もちろん、加奈子が思い出しているのは昨年の食堂での出来事だ。
要に一目惚れし、ぼんやりと恋に浸っていたら、ケチャップをブチまけて……
挙句それを要に見られ目を回し…
ポッと顔を染めた加奈子は、ギュッと目を瞑った。
そんな時代もあった……懐かしいなぁ…
「あ、あ、あのっ……」
手を握られたままの幸太郎は、声を詰まらせる。
「ごめん……! 思い出に浸ってた!」
ハッとした加奈子は手を離して再び幸太郎に微笑む。
「とにかく、何でも奢るから!」
「ありっ…がとうごじゃいます」
慌てて噛んでしまった幸太郎は、片手を口に当てる。
その姿に加奈子はさらに目を輝かせた。