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さらに近くてもっと甘い
第8章 ドジっ子同盟とお引っ越し
「分かるっ……分かる分かるっ……」
もはや感動している加奈子は、あまりに自分と似た後輩がかわいくて仕方がない。
新人指導なんて、出来るわけないと思ってたけど、原澤くんの世話ならいくらでもしてあげたい…っ……
「田部…先輩……」
ごにゃごにゃ言いながら悶えている加奈子の様子を見て、幸太郎はトクンと胸を高鳴らせていた。
田舎から出てきて、友人もまだいない。
仕事に慣れるのが精一杯で毎日が闘いである幸太郎にとって、あまりに親切な加奈子は心のオアシスだ。
怒らないし、バカにしたように笑ってもこない……
そんなことが嬉しくて、幸太郎は思わず安心したように緩く笑って、立ち上がっている加奈子を見上げた。