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さらに近くてもっと甘い
第10章 一番近くに
ヨタヨタと歩きながら、はわぁ……と浩平は大きな欠伸をした。
夕暮れ時。
隣には、かわいくて仕方のない彼女が心配そうに見つめている。
「疲れた…の…?」
「え…あ……うん…」
そりゃあ…変な気起こさないように、がむしゃらに泳ぎましたからね…
目の前に布団があれば、いや、なくとも眠れる。それくらいに浩平はヘロヘロになっている。
「うちに寄ってく…?」
「うえっ…!?」
思わず変な声を出した浩平に、愛花は俯きながら歩みを進める。
結局恥ずかしくてプールに入ることが出来なかった愛花は、浩平とは逆に疲れていない。
「ご飯…作るしっ…。もう少し浩平くんと…いたいからっ……」
様子のおかしい浩平にまだ拭えぬ不安。迷惑を覚悟で、最大限のわがままを口にした愛花の心臓がドクドクと高鳴る。