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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
まるで子どものような社長の発言に、要は肩を落とす。
やれやれ、である。
だから、忠告もしたというのに、それでも自分を貫くその姿勢は、やはり最早尊敬に値する…
そんなことを思いながら、要は店を出ようと扉の方へ向かった。
「ったく……!
なんだあの態度は! 主人の言うことも聞けないのかあいつはっ…」
ごちゃごちゃと小言を言いながら、光瑠は髪をガシガシと乱す。
思い通りにならない…
大事にしようとすればするほど空回りして──…
要が開こうとしたガラスの扉を、光瑠が背後から、とんでもない音を立てて開けた。
「ちょっ…社長っ…!壊れたらどうするんですか!」
「黙れ!酒田!」
そんな事知ったことかっ…!
「どうせリニューアルするんだ!
何なら、俺が今全部壊してやってもいい!!!」
「そんな…」
怒り狂う光瑠の歩幅がいつもより広い。
酒田はそれに懸命についていきながら、息を切らしていた。