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さらに近くてもっと甘い
第1章 過保護な旦那様
────────────…
堂々と自分に言い返した真希の背中を光瑠は何も言えないまま見つめる。
腹が立つっ……
行き場のない怒り。
そして完全に言い負かされて、光瑠は奥歯をギリと噛み締めた。
「真希さん、一段と強くなったなぁ…」
隣で、酒田が呟く。
あれくらい僕も社長とかに言い返せるようになったら…などと夢を見るが、そんな日は来ない事は本人が一番分かっていることだ。
「母は強し、と言うからな」
フッと笑った要は、未だどうしたら良いのか分からずに身体をワナワナさせている上司を見た。
「気分が悪いっ…」
「はあ…」
腑抜けた返事をした酒田の事を、光瑠が鬼の形相で睨みつける。
それに思わず酒田はひっ、と悲鳴を上げた。
「もう行く!!!
こんな場所に用はない!!!」