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さらに近くてもっと甘い
第12章 メガネデート


「た…べ先輩とっ…」


「………?」


「田部先輩と一緒に……いるからっ……!」



言った後で、さらに顔が紅くなるのを感じて、幸太郎はぱっと俯く。


い、急ぎすぎた…!?

勢いで告白もどきみたいなことをしちゃったけど───



不安になっていると、突然プッと吹き出されて、幸太郎は加奈子の方を再び見た。




「ハハハハっ…!!なにそれ!!!」


「──────……」




何故か涙が出るほど笑っている加奈子を幸太郎はぼんやりと見つめることしかできない。



「そんな緊張するような相手じゃないよ!私!!」



ふぅ、と息を吐いて、目の端にたまった涙を人差し指で拭う。


私と一緒にいるだけでそんな風になっちゃうなんて……


偉大な先輩とかだったらまだしも、一個しか変わらないていうのに。



「幸太郎くん、本当に面白いなぁ…」



「………………」




伝わってない……



それを喜ぶべきなのか、悲しむべきなのか、幸太郎にはよく分からない。



「よし!じゃあ今日は、私と打ち解けることも目標にしよう!」


「え………」


「私も……幸太郎くんともっと仲良くなりたいし!」


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