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さらに近くてもっと甘い
第13章 入れ違いに入れ違い
────────……
「……要さん、ヤキモチ妬いてるんですか?」
あれこれ考え込んでいると、不意に真希にそう尋ねられて、要はゴクリと唾を飲んだ。
「い…や…………」
「どなた相手に? 要さんが妬くような相手って全然想像出来ないです…!」
「で、ですから別に僕は何も───」
「要さん! 強がっちゃダメです!要さんはもう少し感情を表に出した方がいいですよ」
「───────…」
先ほどとは打って変わって勢いよく話し始めた真希に、要は口を閉じる。
夫婦に同じことを言われて言い返すことが出来ない。
それに加え、
互いの感情や思っている事には鈍いのに、何故か他の人の事となると急に勘が良くなる真希と光瑠を要は不思議に思った。
「ちょっと…! 聞いてるんですか、要さん!」
「あ……はい…」
「要さんはもう少し人間らしさを出さないと!」
「別に……隠しているつもりはないんですが」
そう言い訳をしながらも、先ほど無理に感情を押し殺したことを思い出してバツが悪くなった。
人間らしさ…か。
見本にすべきは、やはり社長なのだろうか……。