パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第13章 入れ違いに入れ違い

ふん……と息を吐いた要さんは少し戸惑った表情を見せている。

何だか、こんな要さん初めて見たかもしれない。



「でも……社長がくだらない嫉妬をしなくなるんだったら真希さんもその方がいいですよね…？」



「えっ……」



思わぬ質問に天井に目を向けて考え込む。


嫉妬しない光瑠さん…かぁ……。


そりゃ彼が一切怒りもしないで毎日ニコニコしててくれたら穏やかな日々が送れるのかもしれないけど。


んんんん……



「……嫉妬しない光瑠さんは光瑠さんじゃないし、何だか想像出来ないです……」


懸命に考えて見たけど、やっぱそんな状況はあり得ない。


確かにそうかぁ…と言いながらクスクスと笑っている要さんに、それに…と私は言葉を付け加えた。



「普段私もごちゃごちゃ文句言っていますけど、だからって光瑠さんが全く嫉妬してくれなくなっちゃったら、ちょっと寂しいかもしれないです……」


「……ほぉ………。何だか複雑ですねぇ……」


「すみません…っ」



我ながらめんどくさい人間だなぁと反省するけれど。


でも、乙女心ってそういうもんなんじゃないだろうか、なんてちょっと自分に甘い考えも湧いてしまう。


とにかく、普段考えてもみなかったことに対峙して、新鮮な気持ちになった後、ふと要さんのことを見て、やっぱり様子が変だなぁと感じた。


要さんはいつだって完璧だ。


何でも出来るし、いつも冷静で、光瑠さんと違って感情で動いたりしない。



でも……もしかして……