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さらに近くてもっと甘い
第13章 入れ違いに入れ違い
「よかったです…」
「……っ………」
「要さんは、私にとっても光瑠さんにとっても大切な人で、ずっとずっと幸せを願っていましたから」
思わず満面の笑みを返すと、要さんはハッとして、かすかに顔を紅らめた。
「な…んか、一人で舞い上がってベラベラと…。すみません」
「いえいえ」
こんな要さんを見ることないし、なんだか得した気分だ。
意外と、要さんは光瑠さんに負けず劣らず恋愛下手なのかもしれない。
「……でも、その言葉は、私じゃなくて、是非とも加奈子さんに言ってあげて下さい」
「そう、ですね。 今夜、伝えます」
「こ、今夜!?」
なんとまぁ…
出来る男の仕事は早いというかなんというか…
「遅いですかね? 今すぐにでも伝えるべきですか?」
私のリアクションを見て、不安そうにしている要さんを見て、おかしくなった私は、思わず声を出して笑った。
かっこよくて、誰よりも紳士で優しくて、それでいてかわいいところもあるなんて、魅力盛りだくさんな人だ。
「大丈夫ですよ、今夜、しっかり伝えてあげて下さい」
私がそういうと、要さんはホッと息をついたあと、私につられたようにして笑った。