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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
我が子が誕生しようとしているとはつゆ知らず…────
光瑠は、あれこれと謝罪のセリフを考えながら、庭を通り過ぎていた。
南の奥のイングリッシュガーデン。
毎日通る場所ではあるが、こうやって真希と何かある時に通ると、過去にここで二人で過ごした日々のことを思い出さずにはいられない。
──────ひかるさん…
太陽の下でより一層輝いていたあの微笑み。
──────誓います…
大勢の前で、しとやかに永遠の愛を誓ったのも、この場所だった。
「………くだらない…か」
今までに起こったことを考えれば昨日の争いなど、その一言で済まされてしまう。
「──────……?」
ふん……と鼻で息を吐きながら、屋敷に向かう途中でぎゅっと足を掴まれた光瑠は首を傾げて足元を見つめた。
「はやいね! もうお仕事おわったの?」
「隼人……」
義理の弟がニコニコとしながら見上げてくるのを見て、少々あきれたように笑った光瑠はその場にしゃがみ込んで隼人の頭を撫でた。
「いや、今は昼休みで──」
「──うっわぁ!ひかる、スーツ汚くなってるよ?」
「……あぁ…これか」