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さらに近くてもっと甘い
第14章 新しい家族
幸太郎にぶちまかれたお茶によって、ついたシミを光瑠は改めて眺める。
白いスーツだからか、余計に目立ってしまって不恰好もいいところだ。
「こぼしたの…? ひかる、不器用だもんね?」
「ちがっ──」
必死で否定しようになって、相手が10歳の少年であることを思い出した光瑠は言葉を飲んだ。
こういうところがいけないのだ。
少しは改めないといけないかもしれない──…
らしくもない反省をしながら、光瑠にニコニコとしている隼人のことを眺める。
「そんな話はどうでもいい。それより、お前学校はどうした」
「んー? 今日ね午前授業ってやつなんだよ!」
ほぉ、と適当に返事をした光瑠はすぐに嫌な予感がして、片眉を上げた。
「い、言っとくが俺はこの後また会社に──」
「───だから、ひかる一緒に遊ぼ!」
「っ………」
先を越された光瑠は、頭を掻く。
こうなってから隼人を振り切るのはとても時間がかかる。
これまでの経験から、光瑠はそれを分かっている。