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さらに近くてもっと甘い
第3章 喧嘩するほど?
膝の上の猫を優しく撫でながら、光瑠はグラスに入った僅かな酒を飲み干した。
猫は気持ちよさそうにリラックスしたまま、にゃ〜と鳴く。
「お前は呑気だな」
呆れたように、しかし愛おしそうに呟く。
愛猫家である有川光瑠が以前は猫嫌いであったことなど、もはや皆忘れてしまっただろう──
「ユキちゃんって、本当に光瑠の事好きだよねーー!!」
肩に猫を乗せた少年が、光瑠に笑みを見せる。
「こいつは誰が1番偉くて立派な主人か分かっているんだ」
どっかの誰かとか違って
という言葉を飲み込む。
「へぇー?
それって光瑠のこと??」
「っ……当たり前だろうが!」
「そんなにすぐに怒鳴るのに?」
「隼人お前なぁっ……」
起き上がろうとしたら、猫のユキが嫌がったので身動きが取れなくなった。
その様子を見て、隼人がケラケラと笑う。