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さらに近くてもっと甘い
第4章 家族の形
慌ただしく他の人たちが動いている。
なのに、何もしないで座っているなんて…
「あのっ…私手伝いますっ…!」
思わず立ち上がった彼女。
「何言ってるの!?!? 今日あなたはお客さんなのよ!?!?」
「でっ、でもっ……」
いつも家の支度をするのが自分の役目だ。
だから、もてなされる側はどうしても慣れない。
「そうだよ。座ってろって」
浩平は、困惑する愛花に向かってそういうと、ペシっと母親に力強く叩かれて、患部を擦った。
「なんだよっ……」
「偉そうに何言ってるの浩平!!!あんたは手伝いなさいよ!」
「…………うぜぇ…」
「は!? あんたなんか言った今!?」
いえいえ、と拗ねたように言葉を返す浩平を愛花は見つめる。
見たことのない彼の一面。
それは家族の一部としての彼で、息子としての彼。