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放課後の狩猟者
第1章 # 紗菜 [高1]
「ハルちゃん?おいで?…お待たせ。ご飯だよ?お腹空いてたでしょ?うふふっ…」
聞き慣れた少女の優しい声に、ミケ猫が納屋の中から顔を出す。
スクールバッグから取り出したブリックパックのミルクを、浅い容器に注ぐ。
猫は注ぎ終わるのを待つことなく、物凄い勢いで舐め始めた。
小さなピンク色の舌で、ミルクのしぶきをたて、髭や顔を白い雫で濡らしながら。
「うふふっ…ハルちゃん?そんなに慌てなくても、誰も横取りしないよ?ゆっくり飲んで?ほら、パンもあるよ?
…ハルちゃん…ゴメンね?今日はキャットフード持ってこれなかった…。今、お小遣いピンチなんだ…。お小遣い貰ったら、必ず持ってくるから。ね?楽しみにしてて?うふふっ…」
夢中で食べる猫の頭を、優しく撫でながら語りかける。猫は、ふと少女を見上げると、目を細めて、また夢中で食べ始めた。
俺は、足音を忍ばせ、そっと少女の背後に近づく。