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放課後の狩猟者
第2章 # 小夏 [高2]
 俺は、紗菜の時に学んだ。

 あれから、数人の獲物を仕留めたが、どいつもこいつも、他人の息がかかり、手垢のついた奴ばかりで、俺を本当の意味で満足させてくれるものなど一人としていなかった。

 だからもう、期待はしない。

 処女だろうがなかろうが、近親相姦だろうが、同性愛者だろうが、もうどうでもいい。神の御子達には"純潔"や"純真"や"無垢"を偉そうに語れるやつなどいないのだと悟ったから。


 ただ、"美"への拘りだけはは捨て切れない。そこだけは、そのポリシーだけは誰にも譲れない。

 小夏は、美しい少女。
 
 だから俺は、この少女を獲物として選んでやったのだ。

 身長は170㎝。バレーボール選手にしては小柄だが、その脚力や瞬発力は群を抜いていて、二年生にして、エースの座を勝ち取った覇者だ。

 髪はいつも短めのポニーテール。大きくて、少し目尻の上がった、クールな瞳。さっぱりとして、サバサバとしたボーイッシュな性格は、大勢の女子たちを魅了していた。

 スッと通った綺麗な鼻筋、引き締まった唇は、彼女の気性の強さを物語っていて、まさに中性的な魅力を醸し出している。

 ユニフォーム姿も然ることながら、これが制服姿もよく似合っている。セーラー服を着ると、ちゃんと"女の子"に見えるのだ。しかも超美少女。

 ほんの束の間、人目を憚るように、美樹との愛を確かめあった小夏は、名残惜しそうに見送る美樹に、カッコよく背を向けたまま手を振ると、書店に向かって歩き出した。

 小夏の行きつけの書店は分かっている。寂れた商店街の一角だ。
 ゆっくりとミニワゴンで後をつけ、小夏が書店に入ったことを確かめると、路肩に停車した。
 トランクから台車と段ボールを下ろし、書店内が見える場所に移動する。
 怪しまれないよう注意を払いながら、そっと小夏の様子を探ることにした。
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