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放課後の狩猟者
第2章 # 小夏 [高2]
 参考書コーナーで、ズラリと並んだ赤本を検索している。エスカレーター式で、そのまま同大学へ進学できる附属高校だが、小夏はもっと上のレベルを目指しているらしい。

 その中から、有名難関大学の赤本を数冊手に取ると、今度は趣味のコーナーへと向かった。

 どうやら手芸の本のようだ。そう、彼女の趣味は手芸や料理。女子力の高さは、小夏のボーイッシュキャラの妨げになる。

 そんな姿を、特に彼女である美樹に見せる訳にはいかず、一緒にいたいとせがむ美樹を拒んだのだ。

 それから、小夏はレジへと向かった。


「そろそろやな。お、出てきた、出てきた…」


 小夏は、買った本の袋から手芸の本だけを取り出すと、赤本はスクールバッグに仕舞い、店を後にした。

 俺は周囲を確認すると、台車を押して、小夏の後をつけた。

 手芸の本のページをペラペラと繰りながら、ゆっくりと歩き出す小夏を、俺は少し早足で追い抜く。

 その瞬間、チラッと小夏の横顔を見ると、本に夢中で、瞳をキラキラと輝かせ、唇には笑みを浮かべていた。

 俺は、その先にあるビルとビルの隙間に、素早く身を隠す。

 すっかり寂れてしまい、シャッター街と化したこの商店街は、この時間になると更に人通りも少なく、狩りをするには打って付けだ。

 小夏が目の前を通り過ぎた。俺はすかさずビルの隙間から出ると、小夏に声をかけるため、背後に接近する。

「あのぅ…すみません…。聖カトリーナ学院高校はどの辺りですかね?」

「あ、それならここを真っ直ぐ…」

 そう言って、こちらを振り返った瞬間。

 プシューーーッッ!!

 小夏の目の前でガスを噴射。

 手の中の本が落ち、肩にかけたスクールバッグも。

 崩れ落ちる小夏を抱き止めると、ビルの隙間に引き摺り込んだ。

 小夏を本やバッグ諸とも段ボールに詰め、何食わぬ顔で台車を押して車に戻った。


 犯行に要した時間は、僅か2分。


 欠けてゆく月だけが、物言わず、その一部始終を見ていた。
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