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【R-34】
第12章 『不知夜月』
圭吾の隣で、苦し気に寝返りを打つ妻。
その苦し気な表情の美しさに息を飲む。
「真奈、眠れないのかい?」
「……ん、ごめんなさい。圭吾さんは、早く寝て……」
彼女の荒々しい呼吸が見ている圭吾まで辛くさせる。
「真奈?ほら、おまじない。覚えてるかい?」
目を閉じ、口角を上げながら真奈が静かに頷く。
「真奈は良い子。良い子。良い子」
ゆっくりと……美しい妻の、その髪を撫でる。
「真奈は良い子。良い子。良い子」
続けて丸いおでこと瞼もゆっくり撫でる。
幸せそうに真奈の口元が緩む。
「本当はね?あれ、嘘なの……。あの時どうしてもあなたに触れたくって……。私が勝手に考えたの。……でも、本当に……眠くなって、きちゃった……」
ふにゃりと笑ったまま、すっと眠りに落ちる妻。
ああ、なんて愛おしい存在なのだろう。
一人残された圭吾もまた、赤面しながら暫く口元が緩みっぱなしでその日は結局中々寝付く事が出来なかった。
その苦し気な表情の美しさに息を飲む。
「真奈、眠れないのかい?」
「……ん、ごめんなさい。圭吾さんは、早く寝て……」
彼女の荒々しい呼吸が見ている圭吾まで辛くさせる。
「真奈?ほら、おまじない。覚えてるかい?」
目を閉じ、口角を上げながら真奈が静かに頷く。
「真奈は良い子。良い子。良い子」
ゆっくりと……美しい妻の、その髪を撫でる。
「真奈は良い子。良い子。良い子」
続けて丸いおでこと瞼もゆっくり撫でる。
幸せそうに真奈の口元が緩む。
「本当はね?あれ、嘘なの……。あの時どうしてもあなたに触れたくって……。私が勝手に考えたの。……でも、本当に……眠くなって、きちゃった……」
ふにゃりと笑ったまま、すっと眠りに落ちる妻。
ああ、なんて愛おしい存在なのだろう。
一人残された圭吾もまた、赤面しながら暫く口元が緩みっぱなしでその日は結局中々寝付く事が出来なかった。