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溢れる好きと君へのキス
第1章 *
「ぷはっ!」
運ばれてきたビールをぐいっとジョッキ半分くらい飲み干す。おつまみに選んだのは野菜のスティックと砂肝と…
「なんだか一貫性なくて全然おしゃれじゃないですよね…すみません…」
「そんなとこ謝るとこじゃないって。いいよ、好きなだけ好きなもの頼んで」
初めはなんとなく最近の職場の話をしていたが話がだんだん途切れてきた。話すように誘導されてる…うまく切り出せずもじもじしていると、
「んで?」
早く話せと目が言っている。もう話すしかない…目の前の梅酒をゴクリと飲んでゆっくり口を開いた。
「彼氏に振られたんです。」
「前言ってた同窓会で会ったって奴?」
「そうです。」
「6月から一緒に住んでなかったっけ」
「そうです。」
「浮気されてた?」
「…そうです!!!!」
「それが今朝わかったと。」
「…そうです…」
こんなにも当てられるともはや清々しい。はぁ、っとため息をついて梅酒をさらに流し込む。それに合わせるように松野さんも焼酎を飲んだ。
「共有のパソコンがあって、朝メールチェックしようと思ったら彼のアカウントになってて…ログアウトしなきゃと思って…」
「そんな写真出てくるなんて思わなくって…」
「そしたらあいつ、お前が出て行けばいいとか言うんです。私のマンションですよ?!だからついひっぱたいちゃって…」
まっすぐ目を見て相槌を打たれると話が止まらなくなる。気づくと私は完全にお酒が回っていた。